2023年 7月 の投稿一覧

夏休みに多いお口のトラブル

相生市の歯医者、はともと歯科 医院 のブログページです。

みなさんこんにちは。学生たちは長い夏休みに入り、楽しい日々を過ごしていることと思います。

特に夏休みの中高生に多いお口のトラブルとして、部活中にぶつかったり、転んだりして歯が折れたり、抜けたりすることが挙げられます。

このような時に有効な対処法をお伝えしたいと思います。

①折れたり抜けたりした箇所をなめたり、洗ったりしない

神経に雑菌が入り込んで感染してしまいます。なるべくいじらないようにしましょう。

独断で消毒をすることもしないでください。

②取れてしまった歯を洗わない

折れたり抜けたりした歯が口腔内から飛び出し、土などで汚れていることもありますが、水で洗わないでください。

特に根から抜けた歯の根元には、歯の根元と歯肉の中の骨をつなぐために必要不可欠な「歯根膜」という薄い膜がついています。

洗ってしまうと歯根膜に傷がついたり、取れてしまうことがあります。

また歯を持つ際は、歯の根元を持たず、歯冠部を持つようにして、歯根膜に触れないようにします。

歯根膜を守ると、歯を元通り使える可能性が上がります。折れた歯も折れた部分を持たないようにしましょう。

③取れた歯を適切に保存し、できるだけ30分以内に歯科に行く

 

歯はできれば「歯牙の保存液」に浸して保存します。

保存液がない場合は、牛乳生理食塩水、それもなければお口の中に入れておくのも手です(飲み込まないように注意!)。

これらの中に浸し、とにかく乾燥させないようにして、できるだけ早く歯科を受診しましょう。

歯牙の保存液はネットでも購入できますので、救急箱に備えておくとよいかもしれませんね。

 

また、外傷で歯がグラついたり、歯肉に歯がめり込んでしまうこともあります。

これらも一見大丈夫そうに見えても、歯根膜に大きなダメージを負っている状態です。

決して放置せず、なるべく早く歯科で適切な処置を受けてください。

歯周病の恐ろしさ

相生市の歯医者、はともと歯科 医院 のブログページです。

みなさんこんにちは。気温が上がり、ジメジメした季節になりました。食中毒の危険性がグッと上がりますので、注意しましょう!

「歯周病の症状」と聞いて、みなさんはどんなことを思い浮かべますか?

一般的なのは歯肉からの出血、歯が抜ける、歯がヌルヌルする、口臭…等ではないでしょうか。

このようなお口の中のトラブルが思い浮かぶ方がほとんどだと思いますが、実は歯周病は体全体の病気やトラブルにも深く関係していることが分かっています。

以下はその一例です。

心筋梗塞・動脈硬化・心内膜炎・糖尿病・誤嚥性肺炎・認知症・関節リウマチ・消化器系のがん・早産

低体重児出産・肥満 等

歯周病の原因は歯垢の中に含まれる細菌ですが、その菌が歯肉から体の中に入り込もうしてできるのが歯周ポケットです。その際に炎症が起こり、出血するのですね。

そしてその炎症によってできる毒性の物質が出血箇所から血管に入り込み、全身に回り、さまざまな場所でトラブルを引き起こしていきます

もちろん歯周病菌だけが原因ではなく、生活習慣や要注意因子がもともとあることもありますが、歯周病菌との相互作用で悪化のサイクルを形成していることが分かってきています。

簡単に例を挙げてみます。

【例 糖尿病】

①糖尿病のため高血糖になり、免疫が低下する→②口腔内の細菌が増え(歯周病が悪化)、細菌から出る毒素が増える→③毒素が血管から入り、インスリンの効果を阻害する→①に戻る

毎日の歯磨きでは歯周病菌の温床である歯石や細菌の膜であるバイオフィルムなどは除去することはできず、歯科での専門的なケアが必要となります。

成人の約8割は歯周病だと言われます。

むし歯などの症状がなくても定期的に歯科にお越しいただき、根本的な歯周病治療を受けてくださいね